すあまさえ

八甲田山のすあまさえのレビュー・感想・評価

八甲田山(1977年製作の映画)
4.0

本当にあった遭難事件。
原作にもやや忠実に描かれている。

3時間もあるから、この暗いどんよりとした空気を、嫌でも感じる。身体に入ってくる。

自然は美しい。生きる糧になる。
けど、自然は恐ろしい。崇高である。

昔の軍隊って、今もだけどさ、本当に命がけなんだよね。
体力と気力。生命力が強い者だけが生きて帰れる。

上官の決定は覆せない。自分たちに決定権はない。黙って歩くだけだ。

進む道が分からなくなった時、上官が叫ぶ。

このまま皆で死んでしまおうではないか。

最悪だと思った。
勇気を与えるのが上の人間のやるべき事じゃないの?何を真っ先に諦めてんだ。
私だったら1人でも生き抜いてやるわ、と威勢のいい事を思いながら観てました。

この任務が終わって、生き残った隊員も今度の戦争でみんな死んじゃうんだね。
もう、八甲田山で起きた事を語り継げる人はいない。
だから、雪と自然の脅威を描いているこの作品は、軍の無理な判断が描かれてるこの作品は、資料的価値が高いはずだと思う。

基本的に、軍の判断は、軍のトップの判断だけど、力づくが強すぎて。

出来そうか、やれそうか、隅々まで調査して検討してくれたまえ、って言ってるけど、本当は、どうにかやれ、うまくやれ、思いつけ考えろ、っていう命令でしかない。

隊員の事を、本当に人間だと思っているのか、わからなくなることがおおい。

どうなんですかね。
すあまさえ

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