名作「八甲田山」を4Kリマスター版にて鑑賞。劇場公開時から3〜4度目となる。
亡き母が青森好きで、いっしょに酸ヶ湯温泉に行った良い思い出があるのだが、実際にその「酸ヶ湯」が撮影隊のベースキャンプになっていたらしい。
見初めて最初に感じたのは、映画の時代感を一番感じさせるのは音楽だな〜ということ。過去を描いた時「画」の撮り方自体にはそれほど差異はなくても、流れる音楽で古さを感じる。ブラス、ギターサウンドなんかがメインだと「昭和」だな〜って感じる。「映画音楽」の持つ力って、大きいな〜と。
次に軍の会議に顔を揃えるメンバーにワクワクする。高倉健、北大路欣也、三國連太郎、小林桂樹、丹波哲郎…、その誰もが若い!
鑑賞後のトークショーで北大路欣也さんと、当時撮影監督だった木村大作さんの貴重な話が聞けたが、
あの雪中行軍のシーンは遠景であってもエキストラではなくフルキャストで行なっていたということ、
当時はCGなどないので、吹雪のシーンなどはそのフルキャストが5時間、吹雪くまで待って撮ったということ、
その撮影の際、木村大作が赤い外套と帽子をかぶっていたので「赤鬼」→「鬼の木村」という呼称が生まれたこと、
あまりに木村のやり方が厳しいので、飲み会の時に俳優陣の不満が爆発し、木村をボコボコにした件、
その際馬乗りになって殴っていたのは北大路欣也だった件、
ラストシーン、北大路欣也が棺桶の中に4時間前から入って高倉健を待ったということ、
その棺の中の北大路欣也と対面した高倉健は、中に北大路欣也が入っていることを知らずに棺を開け、絶句して嗚咽を漏らし、橋本忍の脚本を全て吹っ飛ばしたけど森谷司郎監督はその迫真の演技に「OK!」を出したこと、
相手役の神田大尉役に北大路欣也を指名したのは高倉健だったこと、などなどなど、
その他、おなじみの木村節も多々飛び出し、本当に楽しく、貴重なトークショーだった。
改めて見て、過去の実話に基づく話ではあるが、その中身は「いつの世も中間管理職の辛さは同じ」ということをしみじみと感じさせられた。
みんな三國連太郎が悪いんじゃん!(^^)。もう一言、加山雄三、もっと早く進言しろよ! さらに、少女の頃の秋吉久美子の可愛さにしびれた!(今はあんなに怖そうだけどね)
名カメラマン木村大作の原点! 昭和の大スター勢揃い。撮影に3年かけたという、二度と撮れないだろう超大作! 大きなスクリーンで再び見られたことに感謝!