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ワールド・トレード・センターのMoviePANDAのレビュー・感想・評価

3.4
『臨み、繋ぐ望み』

その日、先輩から呼び出しを受けたボクは、古町の小さなクラブへと向かった。店に着くと、責任者のYマネジャーや同僚、また取引先である“目の付け所が”のフレーズで有名な某メーカーの営業のMさんらで先に楽しくやっていた🥃✨

ひとりひとりの横に綺麗なお姉さんが着座。ボクも遅れを挽回するべく飲んだり歌ったり🎤そんな宴の最中『マトリックス』のエージェント・スミスに良く似たMさんが僕に言った。

「なんかね、アメリカで映画みたいな事あったらしいっすよ」

映画という言葉はひっかかったものの、別段気にせず。その後、宴は終わり家路につき、テレビを付けて一気に酔いが醒めた😨

「なっ、何が起きてるんだ⁉️」

劇中で、ひとりの警官が言った。

「今日で世界は終わるのか❓」

本当にそう思える情景がどの局でも流されていた...

自分が今まで生きてきた中で、絶対に忘れられない衝撃の出来事。まずひとつがこの事件。事件というにはあまりに大きな出来事。そして、もうひとつは僕たちの心から消え様が無い7年前のあの出来事。

この映画の製作が発表された時、思った。「あぁ、出た出た。さっそく飛びついたな、格好のネタだと思って😩」ただ、主演が我らがニックだと知る。そしたら、 観ないわけにはいかない❗️しかし、仕事で徹夜した翌日に鑑賞... 結果、本編中何度も寝落ちする💦(。-ω-)zzz ただ、実際問題最初を除いてエライ地味な展開⤵️それもあって満足な鑑賞とならず何だか腹立たしかった😒💢そして、それをこの映画はダメ映画だと決め込んで自分を納得させていた...

そしたら...
ダメなのは、自分の心の方だった...
自分はこの悲劇の映画化に、結局はディザスター的スペクタクルを求めていたのだと恥ずかしくなる(._.)確かに実話を基にしながら、突っ込みたくなるポイントもある。ただ、この“エライ地味な展開”の意味を今さらながらに知ったし、製作の意義も感じる事が出来た。

要は、大きく引いて捉えたのではなく、大きく寄った、一人間、一家族に寄り添った映画だったんだ。

助かった命。
失われてしまった命。

マリア・ベロと黒人女性の包容がある意味、この映画を象徴している。決して繰り返されてはならないこの出来事。それをお互いに噛み締める。

もうひとつ印象的なのは、それまで色々と“鳴らしてきた”監督のここでの姿勢だ。ここでは政治を描く事はなく、むしろ神の存在を示す。マイケル・ペーニャ演じるヒメノの夢に出てくる後光差す姿と、マイケル・シャノンが現地に赴く理由(わけ)。そして、この出来事もまた別の神を偉大だと思う者達により引き起こされたという皮肉...(陰謀論も唱えられてはいますが...)

ただ、それより何より、救出を待つ者と家族の帰りを待つ者それぞれが信じる力、それはやはり家族故の愛であるという事実。人種や肌の色を越えた観る者ひとりひとりの心に帰結するメッセージが素晴らしいです☺️ あと、“動けない”という絵面なのに惹き付けるという点で、我らがニックとマイケル・ペーニャの演技も素晴らしい作品でした🐼
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