さりさり

黒い十人の女のさりさりのネタバレレビュー・内容・結末

黒い十人の女(1961年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

サスペンス?
はたまた、これはブラックコメディ?
モノクロ映像が不気味でありながら、なぜかスタイリッシュ。
実に不思議な作品である。

妻がありながら、9人もの愛人を持つ男・風 松吉。
業を煮やした妻と愛人たちは結束して、このどうしようもない浮気男の殺害計画を企てる…。

この軽薄なダメ男、浮気することに少しも後ろめたさを感じていない。
まるで挨拶するかのように浮気を繰り返す。
浮気の理由が呆れてしまう。

「雨が降って傘がないから浮気した」
「月がきれいだったから浮気した」

腹立たしさを通り越して、もはや笑ってしまうしかない。
女を騙そうとする下心がこれっぽっちもない。
子供のようなキョトンとした瞳に、女は母性本能をくすぐられてしまうのか。

全くもって女の敵?
それともただの正直男?

愛人の一人が、ついうっかり殺人計画を男に話してしまう。
そこから流れは一変する。
食うか食われるかの騙し合い。
そして訪れる予想外の結末とは…。

もっとドロドロの愛憎劇を期待してたんだけど、意外とそうでもなかった。
軽いテンポでサクサク進む、やっぱりこれはブラックコメディ。

愛と憎しみは紙一重。
可愛さ余って憎さ百倍。
男性の皆さん、気をつけて下さいね。

・妻の名言
「誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってことよ」
さりさり

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