LalaーMukuーMerry

愛と追憶の日々のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)
4.3
1980年代になぜか流行った「愛と○○の××」という大仰な邦画タイトルをもつ映画の一つ。特に有名なのが「愛と青春の旅立ち」とこの作品。
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原題はTerms of Endearment XXX. 私にはあまり馴染みのない言葉ですが、endearは「~をいとしいと思わせる」、endearingは「親しみやすい・愛らしい・かわいらしい」、だからEndearmentは(人に対する)愛情を示す行為や言葉・愛情そのもの、つまり邦題もほぼそのままのタイトルですね。XXXは30年ということでしょう。
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テキサスとアイオワ、ネブラスカを舞台にした、母と娘の物語。アイオワと言えば、「ギルバート・ブレイク」、「マディソン郡の橋」、「フィールド・オブ・ドリームス」を見た人は思い浮かべてください。地平線に沈む大きな夕日、ゆったり流れる時間。
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仲のいい母娘のごく普通の物語です。早くに夫を亡くしテキサスで一人娘を育てた母親、娘の結婚、出産、子育て、娘夫婦の引っ越し(アイオワへ)と離婚の危機(浮気)、母親のひさびさの恋、娘の病気・・・その時々の母娘の本音のガールズトークが楽しくもあり、悲しくもあり・・・よその家の不倫騒動とかよろめきとか、本人たちは本気でも、第三者には(興味深々のところもあるけれど)基本どうでもいいことなんですよね。それなのに、見終わった後に受ける印象はとてもいとおしくてendearingなのです。きっと音楽がすごくいいせいだと思います。
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間違いなく見たことある筈なのですが、ストーリーはほぼ忘れていて、でも音楽はしっかり耳に残っていて、いい映画だったなということだけを覚えているという、そういう作品です。久々に観て良かった。
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母役のシャーリー・マクレーン、娘役のデブラ・ウィンガ-、クセの強いお隣の独身おじさん役のジャック・ニコルソン、存在感のやや薄い夫役のジェフ・ダニエルズ、みんないい味出してます。