YasuhitoArai

サーカスのYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

サーカス(1936年製作の映画)
3.8
グリゴリー・アレクサンドロフ監督作品。
黒人の子どもを生んだアメリカ人のサーカススターは、迫害されてソ連に仕事の場を移すが・・・という話。

ソ連初期のコメディミュージカル。
終盤のミュージカルシーンが、今まで落ち着いていたのが解き放たれたかのように豪華ですごい。MGMを思わせるセットの豪華さ、そして『フットライトパレード』のように真上から撮っていたりと規模がすごく豪華さを感じる。

ライオンの軍団対バカな男一人のシーンが面白かった。自転車三人集の多幸感も良かった。この監督は『陽気な連中』といいチャップリン愛がすごい。

時代もあって、黒人の扱いがひどい。黒人も受け入れるソ連はすごいっていう内容になっていく。そして最後に、「こんな自由な国はない!」とパレードで歌いながら、スターリンのでかでかとした肖像画が映るのが、今となってとてつもない皮肉に感じられる。
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