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ゴッド・ギャンブラー IIIの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ゴッド・ギャンブラー III(1991年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
超能力者のシンは天才ギャンブラー「賭聖」として注目を浴びるようになった。しかし、シンに打ち負かされた超能力者のダイグァンが復讐のためにシンの前に超能力者の仲間を連れて現れる。シンを中心に超能力が集中したことでシンは伯父と共に1937年の上海にタイムスリップしてしまう。そこでは日本のスパイ・カワシマヨシコが上海の街を乗っ取るべく、上海の名士ディンにギャンブル勝負を持ちかけていた。シンはディンに見込まれ、力を貸すことにするが...。

◆感想◆
本作は「ゴッド・ギャンブラー2」に登場した超能力者のシン(チャウ・シンチ―)が主役のストーリーとなっており、本作だけでも楽しめる作品となっていますが、「ゴッド・ギャンブラー」に登場したコウのボディガードのロンや「ゴッド・ギャンブラー2」に登場した敵超能力者のダイグァンが本作にも出ているので、観ている方はより楽しめると思います。それでもチョウ・ユンファやアンディ・ラウは出演していないので、チャウ・シンチ―の1人舞台として独立した作品と考えてよいと思います。

お調子者の超能力者のシンは敵であった超能力者のダイグァンの復讐によりタイムスリップするのですが、そこに理屈は一切なくて超能力の設定はかなりアバウトなものでストーリーの都合で如何様にも変わっていきます。ここで納得できない人は本作に向いていないと思います。当時の喜劇だから何でもありといった風情を感じます。

1991年の香港から1937年の上海へタイムスリップしたシンはそこで自分の祖父のチャン・ダイフに会ったり、通りすがりの美女に心惹かれたりと様々な出来事に遭遇していきます。とにかくチャウ・シンチ―がセリフの一つ一つにギャグや変顔など笑いの要素を組み込んでいて、古さを感じるものの、私には懐かしさと共に愉快な気分になりました。

ストーリーの軸となるのは上海の裏社会を牛耳っていたディンと上海を支配するべく現れた日本のスパイのカワシマの対立のストーリー、シンが出会った美女そっくりのユーシン(コン・リー)に恋をするストーリーの二つが並行して進んでいきます。基本的にとにかくシンや伯父のダッ、祖父の3人がリアクション大きめに喋り続けるのでテンポは速いものの、伏線など複雑な展開は一切ないので気楽に観ることができました。

また、アクションシーンも多数盛り込まれており、シンの身軽さが発揮されていてちょっとしたリアクションにもアクションが含まれているので映像面での変化があって良かったです。

ラストはギャンブル対決となっていて、ここで初めてタイトル回収していました。ギャンブラー要素は極めて薄く、ただの超能力でのイカサマトランプですね。

超能力者シンのタイムスリップコメディとして1991年当時の香港映画の匂いが強く感じられるものとなっていて、なかなか面白かったです。

鑑賞日:2025年9月19日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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