オトマイム

コレクションする女のオトマイムのレビュー・感想・評価

コレクションする女(1967年製作の映画)
4.0
ロメールの作品はどれもそこはかとなく官能的だけれど、本作は監督自身がそれを大いに狙っているという点が珍しい。フェロモンダダ漏れのアイデ・ポリトフの魅力をとにかくカメラに収めたいがために作った作品なのではと思う。伸びやかな肢体、童顔に魅惑的な唇、アンニュイな雰囲気。濃い蜂蜜色の肌からはきっと甘い香りが漂ってきそう。水着になる手伝いをして男がアイデのジーンズを脱がせる場面がいちばんドキッとした。

ひっそりとしたバカンス、といった独特の趣がとても好きなのだけれど2回観て2回とも眠気に襲われた。登場人物も皆あまり喋らないし、淡々としたナレーションや起伏の少ない展開に、つい…(・・*)ゞ アイデに振り回された挙句の終盤、状況が急展開→男の心情変化の流れはロメールらしくてすばらしい。


☆たんなる余談☆

⑴女性が裸体をさらすロメール作品はおそらく唯一『冬物語』で、あとは『海辺のポーリーヌ』でアリエル・ドンバールがおっぱいを出してたくらい。本作もヌードはないです、念のため。

⑵ロメール作品で主役は絶対にこの人しか考えられない、と思うのは本作のアイデと『満月の夜』のパスカル・オジェ。

⑶骨董品収集家の男が気持ち悪すぎる。