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マルサの女のkouのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
3.0
《金により引き出される人間味》

伊丹十三監督、国税局査察部に勤務する主人公が脱税を取り締まる。マルサというマニアックな職業を題材とし、税金、お金について扱っている作品。そんなマニアックな職業だからこその独特の台詞回しは聞いていて面白かった。

この映画を見て、映画的にしているにせよ、全く知らない専門分野の専門分野ぶりというのは映画として1つの面白さになるのだなと改めて感じた。脱税をするためにこんなテクニックがあるのかとか、これも税金として支払わなくてはいけないのかと単純にお金についての知識に感心させられる。

主人公亮子と脱税をする権藤の関係性も面白かった。権藤は巨額の脱税をしながらも、それは息子に残したいという思いがあるのが動機であり、人間味のある人物として描かれる。それを亮子もわかっていて、お互いに認め合ったライバルのような関係になっていくのだ。

お金というシビアなものを題材にしつつ、どこか人情味があるのも特徴的だと思う。価値基準であるお金。それだからこそ、それを扱う人間味が引き出されているのだろう。サスペンスであり、人間ドラマでもあると感じました。