ちろる

ルージュのちろるのレビュー・感想・評価

ルージュ(1987年製作の映画)
3.6

身分違いの恋に委ねて、激しく求め合ったのに。
私は気がついたら一人きり。

あなたを探して彷徨い続けていつのまにかたどり着いたのは、知らない景色と知らない時代。

恨んでるのか愛おしいのか自分の気持ちも分からずに、ただいまある存在意義がこの世に取り残されたあなたを見つける事だけだったのかも。

花街で人気芸妓だったユーファと彼女に一目惚れしたチャンは身分違いの恋に身も心も委ねて無理心中を図ったのだが、ユーファだけが息絶えてしまった。
幽霊になって53年後の現世を彷徨いながらチャンを探すことになったユーファに付き合うことになった新聞記者のユンとその恋人。
果たして彼女の想いはどう結末を迎えるのか?
あらすじを書くとすこし切ないですが意外や意外にもコミカルな展開の作品。
始まりはとても妖艶で高貴なユーファでしたが、現代では時代錯誤な出立ちで突拍子もない言動がユンたちを惑わるのですが、そのコントラストがとても上手いアニタ・ムイの演技。
幽霊なのだけど、どこか可愛げがあってその純粋無垢な魂がユンたちの心を動かしたのかもしれません。

世間知らず故に堕落していくおぼっちゃまチャンを演じたレスリー・チャン。
彼のベイビーフィイスがより一層このチャンの無知さを際立たせていますがそれでも売れっ子芸妓が彼にお熱になるのも分かる色気。
これは何なんでしょうね。

ホラー?コメディ?それともミステリーなのか色々な要素があり、80年代の香港のファッションや街並みも堪能できるので色々な意味で楽しめました。
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