あられ

ルージュのあられのネタバレレビュー・内容・結末

ルージュ(1987年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1934年、遊郭の芸妓ユーファと裕福な問屋の次男坊チャン=通称十二少は激しい恋に落ちる。しかし、2人の結婚を十二少の両親が許すはずもなく、彼にはすでに許嫁もいた。思い余って無理心中を図るものの、あの世で十二少と再会できないユーファは、もうすでに生まれ変わっているかもしれない十二少を探すため、53年後、1987年の世の新聞社に現れ、2人の暗号を載せた ”十二少 3811 あの場所でお待ちします ユーファ” と言う尋人の広告を出した。しかし、誰も現れない。広告を出した新聞社に勤めるユンと彼の同僚で同棲中の恋人チョーとで、ユーファを助けるため、十二少の行方を調べ始める…。


まずオープニングで ”監製 成龍” の文字を発見w プロデューサーがジャッキー・チェンだったらしいです。 アニタ・ムイがコメディじゃなく、悲恋のヒロインを演じるのを初めてみましたw 十二少役はアニタがご指名した彼女の大親友のレスリー・チャンです。

ユーファは現代人が着そうもないオールドファッションのチャイナドレスを着ているだけで、見た目だけでは幽霊とはわかりません。しかし、男を焦らすようなアンニュイ感が艶かしく、1930年代と比べてせせこましくてゆとりが少ない1987年の中での異質な感じは、アニタの表現力だけで幽霊だと理解できます。さすが今作品で最優秀主演女優賞を受賞しただけありますね。

遊郭の部屋でユーファと十二少が添い寝をし、アヘンを吸ったり、食べ物を食べさせあったり、服を脱がせたり、まどろんだりするシーンは幻想的で、気だるく憂を含んだ様子の2人はとっても色っぽいですw アニタもレスリーもめちゃくちゃフェロモンを発してますw 鼻から大量の煙を吐いてもなおセクシーなのは、レスリーだけじゃないでしょうか😆

十二少には許嫁がおり、十二少の母親に妾としてならと許されたユーファ。独占欲の強いユーファは十二少と駆け落ちし、ユーファが遊郭で必死に稼いで十二少を支えます。十二少は京劇の修行を始め、ちょい役で京劇の舞台に立つことになります。京劇舞台姿の十二少のお化粧直しをしたりと愛情いっぱいに甲斐甲斐しく世話を焼くユーファ。こんなの世間しらずのお坊ちゃんは堕落していくに決まってるww 噂を聞いて舞台を見に来た十二少の両親と許嫁の怒りを買い、2人の別れが決定的になるのですが…。しかしながら、レスリーの京劇姿は素晴らしく美しいです😊

十二少の母親の意見は正しかった。ストーリーは、甘やかされて育ったボンボン十二少らしい納得のラストでした😆

ラストシーンの撮影所のスタジオで、 ”チャイニーズ・ゴースト・ストーリー” らしき幽霊映画を撮影してるのは、ウィットが効いていて面白いですね😆

今作品の中でレスリーが老けメイクを見せてくれます。レスリーもアニタも共に2003年に亡くなっていて、もしレスリーが生きていれば66歳。裏ぶれたお爺さんの姿なので、もっとダンディになっていたとは思いますが、こんな感じに年を取ったのかもと思うと、とっても悲しいです😭
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