さっこ

男はつらいよ フーテンの寅のさっこのレビュー・感想・評価

4.3

やっと3作目。
コレって山田洋二監督じゃないんです。
森崎東監督作品(懐かしの「美味しんぼ」くらいしか見てない)です。

前は山田洋二じゃないから軽く見ててあまりいい印象じゃなかったけど、
改めて見ると、シリーズの中でもすごい独自性のある作品だと思った。
やっぱりすごく面白い!



サブタイトルが「フーテンの寅」。
これは寅次郎が元テキ屋の老人に仁義を切るシーンで「人呼んでフーテンの寅と発します」としめるところから来ているのだと思う。

仁義を切るシーン、喧嘩のシーンが多く、
寅次郎のヤクザな面が強調されている。

さらに元テキ屋の老人(花沢徳衛!)は「ヨイヨイ」となっており、満足に喋れず手も麻痺しているという生々しい芝居である。
また旅先で風邪をひく描写も多い。

このようにテキ屋稼業の暗部を描写している作品でもある。
(まぁ実際にはテキ屋さんだって立派な仕事だと思うんだけど、このシリーズは悪く描くことが多いですよね…)



そんな作品だからか、寅さんがヒロシに喧嘩で負かされて、柴又から旅に出たあとは、再び柴又に帰ってこない!
この点もシリーズで唯一のパターンじゃないかなぁ(マニアの方、違ってたら指摘してください!)。
(あと、ヒロシに喧嘩で負かされちゃうんだよね…、男はつらいよシリーズは寅次郎をヒーローとして描かないようにしてますね)



暗くてシリアスな要素のある作品である。
だから今まであまり好きじゃなかったんだと思う。

だがしかし!
細かいこと言ってお見合いにノリノリな寅次郎。
とか、温泉旅行に行ったら寅次郎がいた。
とか、フラれたと察してから、バカはお前よ。
とかとかとか、笑えるシーンがいっぱいある。


あと、おいちゃんおばちゃん(特においちゃん)が寅次郎の結婚を切実に願っている作品で、そこもすごい良かった。
なんか自分に言われてるみたいで胸が痛いけど…。

というわけで3作目もやっぱり面白かったです!
さっこ

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