イチロヲ

キング オブ ポルノのイチロヲのレビュー・感想・評価

キング オブ ポルノ(2000年製作の映画)
3.5
ポルノ映画興行を大成功させたことにより、時の人として名を馳せた兄弟が、ドラッグで人生を破綻させてしまう。アメリカにおける性産業発展の担い手となった人物の栄枯盛衰を描いている、伝記映画。主人公兄弟を、実の兄弟俳優が演じている。

本作で描かれているのは、1960年から1991年までの間の出来事。主人公の兄弟愛から生じる人間ドラマが主軸になっており、ポルノ要素は希薄。そもそも、一番最初のポルノ製作に着手するまでの過程がだいぶ省略されている。

一方、中盤での「グリーンドア」のメイキングでは、マリリン・チェンバース誕生の過程がきちんと描かれるので、好奇心を駆り立てられる。しかし、どういう理由でこの作品が大ヒットしたのかという部分は伝わりづらい。

後半部では、重度のジャンキーとなった兄弟の「墜ちていく人間ドラマ」が展開される。結局のところ、本作は「ドラッグは身を破滅させること」を説いているドラッグ・ムービーに他ならない。人間の脳が暴走していく恐怖を追体験することができる。
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