ハレルヤ

ミュンヘンのハレルヤのレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
3.9
先日十数年ぶりに再鑑賞。
初見時もかなり満足した記憶がありますが、改めて見るとまた新たな発見がありましたね。

スピルバーグのシリアスな作風を突き詰めていて、ミュンヘンオリンピックのテロ事件の場面をはじめとする、殺人シーンはかなりのリアルさ。敢えて映画らしい演出を控えているのも効果的です。

テロの報復として、首謀者たちの暗殺を実行していくのが本作の軸ですが、暗殺シーンの一つ一つの緊迫感が凄い。
失敗と紙一重の状況ばかりで、関係のない人を巻き込みそうだったり、巻き込んでしまったりと、見ている側も主人公たちと同じ気持ちを味わいます。

そして後半からは自分たちも命を狙われ、誰を信用していいのか分からない疑心暗鬼に陥ります。暗殺を繰り返しても、また誰か次の後継者が現れ、報復もその度に行われる事態。

一切止まらない負の連鎖。その連続で心身ともに朽ち果てそうになる主人公をエリック・バナが熱演。終盤あたりの憔悴した姿は本当に印象的です。

ラストシーンの遠くに見えるWTCは、初見時物凄く心に残ってたシーンでした。
この歯止めが効かない報復の応酬の果てが、あのテロに繋がると示唆しているように感じましたね。

今だからこそ新たに気づいた事ですが、当時はまだ007じゃなかったダニエル・クレイグと、情報提供者役のマチュー・カソヴィッツ。この数年後に「007 慰めの報酬」で互いが戦うと思うと、違った意味で面白いです。笑