爽やかな哀しみを味わった。
ヒロインが不治の病って見慣れた設定のはずなのに、興味深かったし、最後までワクワクした。
日本兵の霊という加瀬亮の役がまた、作品に重たさを持たせつつも、ファンタジックさも生み、さらには主人公と対比しながら彼の代弁者にもなる。単なる恋愛映画にしないこの設定がずるい。
10代なりの生死感、恋愛感を模索する二人の姿が切なかったし可愛かった。映像は美しかくて絵になってたし、BGMで大げさに感情を煽ることもなく、静かな感動を呼んだ。二人が恋に落ちてくやりとりは少しビフォアサンライズを彷彿とさせたけど、それよりももっと穏やかで静かだった。
先に同じ監督の追憶の森を見ていたけど、この映画にもあるスピリチュアルと生死とを繋ぐ森のイメージをもっと掘り下げたのが追憶の〜の方なんだなと思った。
加瀬亮(ヒロシ)には最後に愛の手紙を読ませてその実は死にゆく者の気持ちを示し、
主人公には葬儀でお別れを語らせずに愛を示した。その手法がにくい。