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引き裂かれたカーテンのcinefilsのレビュー・感想・評価

引き裂かれたカーテン(1966年製作の映画)
3.3
ロバート・バークス、ジョージ・トマシニ、バーナード・ハーマンというスタッフたちがヒッチコック作品にとっていかに重要だったのかを逆説的に証明している作品。カラーは何となく冴えないし、音楽も今ひとつサスペンス風味がない。

ポール・ニューマンの演技も、ただ立っているだけのケイリー・グラントやジミー・スチュワートがいかに偉大だったかを証明している。思い入れたっぷりの芝居が画面を重くしていてテンポが今ひとつ。また、この演技により、何か裏に思いを秘めているということがまるわかりなので、前半部分のジュリー・アンドリュースが疑いを持つところがかえって滑稽になってしまい、見るものをいらつかせてしまっている。

美術館や農家での殺人シーンはさすがという感じたけれども。

まったく関係ないが、主人公達を目ざとく見つけるバレリーナの件、赤狩り時代に撮影現場で「アカ」を血眼になって見つけようとした俳優たち(たとえばジンジャー・ロジャースとか)を想起させた。
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