コーカサス

引き裂かれたカーテンのコーカサスのレビュー・感想・評価

引き裂かれたカーテン(1966年製作の映画)
3.0
“ π に接触せよ”

デンマークで開かれる国際会議へ向かうアメリカの物理学者マイケル(ニューマン)と婚約者のサラ(アンドリュース)。
実はマイケルにはスパイとして東ドイツへ亡命し、核ミサイル“ガンマ5”の秘密を探る任務が待っていた。

ヒッチコック50作目にして、監督生活40年の記念作。
冷戦時代、東西を隔てた「鉄のカーテン」を引き裂く意味のタイトルやプロットは良かったが、やや物足りなく残念。
それでも、マイケルとリント博士(ドナート)が黒板に向かって書き散らす“方程式”対決や、冒頭で取材陣に無視され赤恥をかいたバレリーナ(トゥマーノワ)がラストに生きてくる件は流石である。

なお、恒例のカメオ出演は、ホテルのロビーで赤ちゃんを膝に乗せる男性客。
ヒッチコックのその姿がやけに可愛いらしい。

176 2020