ミュンヘンの作品情報・感想・評価

「ミュンヘン」に投稿された感想・評価

shochan

shochanの感想・評価

4.0
1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をリアルかつ緊迫感のあるタッチで描いた衝撃の問題作。
BGMをほとんど使っておらず冷たい静寂の中での暗殺劇はスリル満点。
ザラついた映像によって冷酷さ、
悲壮感を伝えるあたりはスピルバーグの上手さだと思う。
諜報機関“モサド”の精鋭5人による暗殺活動を描く部分で、
人一人を殺す目標達成の過程は計画通り行かないのもお粗末ですが、
映画の様に上手く行かないのもリアルでありスリリングでした。
人体破壊描写も気合が入っていて良かった。
テロリストを追うものがまたテロリストになり、
追うものは追われるものとなり、
そして報復が報復を生み出していく悪循環で終わりがない。
くろお

くろおの感想・評価

3.8
実話だけに現実感の強い重いトーンなんだが、主人公が戸籍を切り離され、ミュンヘン事件の報復を命令される場面は不謹慎ながらワクワクした。
軍資金受け渡しや、「当局は一切関知しない」的な説明を受けつつ、テロリストの暗殺を命じられる。
こりゃ~男子の本懐やで~

が、物語が進むにつれて繰り返される殺し殺されの世界。
主人公達が恐怖と後悔で精神的にどんどん衰弱していく様子はとってもリアル。
一見神経質そうだが、一本気な主人公にエリック・バナは良くあっていて、彼でもここまで追い詰められるなら、やっぱり現実にジェームズ・ボンドは無理だよなぁ…
1972年9月5日に起きたミュンヘンオリンピック事件と、その後のイスラエル諜報特務庁モサッドによるパレスチナの過激派組織「黒い九月」に対する報復作戦が描かれている。

テロ対テロをリアルにグロテスクに重厚感を持って映像化している。臨場感たっぷりのリアルで残虐な殺人・殺戮シーンの連続は圧倒的でさすがスピルバーグ作品だと唸らされる反面観ていて凄く落ち込む。

スピルバーグが「イスラエルに味方するわけでも敵対するわけでもなく、暗殺に手を染めていくことで精神的に病んでいく主人公達の苦悩を描きたかった」と語っているらしい。エリック・バナ扮する主人公のアヴナーが殺人マシーンと化していき、この争いの被害者となる姿が描かれている。観終わって益々落ち込む。見事にスピルバーグの術中にハメられているかも知れないが、また観たいとは思えない映画。
santasan

santasanの感想・評価

3.6
戦争と同じでテロに対してテロで挑んでも得るものはない、という強いメッセージ。国家とはなんなのか。中東においては、それこそが一番重要なアイデンティティなのだろう。「いずれ人を殺しても何も感じなくなる」そう言いながら、主人公は確実に精神が蝕まれていく。彼は国家の英雄なのか、それとも犠牲者なのか。答えは明白である。自分が狙われていると感じる恐怖はそれまでしてきたことの裏返しでもある。
地味な雰囲気の作品だった
殺し屋としての、国同士の複雑な関係性との主人公の葛藤が重厚に描かれている。

最後まで凄い良かった。
水曜日

水曜日の感想・評価

3.5
スピルバーグが実際の事件を纏める技術は、安心感高い。この事件でも報復の応酬がもたらす罪悪感の麻痺と痛み分けの結果をはっきり分からせてくれる。

ただ…この作戦でテロリスト達が、スポーツの祭典を対象にしなかったとしたら、まだ報復に救い(免罪的な)があるのではとも思った。
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