モールス

シュリのモールスのレビュー・感想・評価

シュリ(1999年製作の映画)
4.5
韓国映画が日本に進出するきっかけになった作品です。とにかく分断国家というものをテーマにしてるので、作品自体に韓国にしか制作できない独自性がありますね。冒頭に「祖国統一万歳!!」と叫ぶ北朝鮮の特殊部隊の兵士たち姿はインパクトがあり、それだけで本作のテーマを伝える力強いシーンでした。その中にいた女性工作員こそが本作のヒロインであるイ・バンヒなのです。
韓国側は主人公である国家情報部員のユ・ジュンウォンが対峙します。同僚イ・ ジャンギルと共にソウル市内で頻発するテロ事件に振り回される日々が続いてました。
この主人公とヒロインが繰り広げる闘いの始まりは、韓国国内で起こった液体爆弾が強奪される事件からでした。このシーンはハリウッド映画に負けないほど迫力満点です。分断国家という政治的背景も興味深いのですが、派手な戦闘アクションも本作の魅力なんですよね☆
さて秘密裡に輸送中だった液体爆弾の強奪事件も、当然情報部員のユ・ジュンウォンは捜査にかかります。どこから情報がもれたのか?作品にもミステリー性が増してきます。
多忙なユではありますが、結婚を控えてる恋人イ・ミョンヒョとも仲睦まじく普通の幸せを感じる時間はあったのですが…。
カンのいい人なら誰が女工作員かピンと来るはずです。結ばれない北と南が、男女の仲で比喩的に描写されてるところは非常に面白いです。国家分断の悲しさを伝える喩えが本当に単純ながらも感心します。その演出は本当に素晴らしいと思います☆
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