視線はずっと合わない。
登場人物がソファやベンチに並んで座ることが繰り返されるが、最後のシークエンスで「愛が全て」と言うとき、初めて並ぶ二人が向かい合い、初めてソファが後ろ側から撮られるが、視線はこ…
ゲアトルーズの恋愛観や孤独が自分とめちゃくちゃリンクしていて全部解る!私か!と思った。女は永遠に愛したい、けれど男の人生の中心には女はいない。
1889年生まれのドライヤー監督が女性視点でここまで的…
長回し。カメラの位置はおへそあたりが基本。池のほとり。生々しいエアリスとのキスシーン。ピアノの傍で歌うゲアトルーズ。ソフトフォーカス。ろうそくに点す火。マッチを擦る焦げた匂い。鏡に収まるゲアトルーズ…
>>続きを読む傑作
男女の恋愛学を全て煮詰めたような作品。
感情の機微がとても繊細に捉えられている。
想い、偲ぶことの尊さと切なさ。
恋の春から冬まで、男女が出会い、恋に落ち終わるまで。初めから終わりまで。
…
メモ
・シュート素材の積み重なり
・微細な現場音
「繋がらない」というより、「繋げることなど念頭にない」編集
ある空間のなかでまるで「自らにとって最適な体勢をとっていなければ死んでしまう病」と「他…
この厳粛さと精神性の高さはなんなんだ一体。途中から正座して観てしまった。儀式のような空間構成と自律的なキャメラ・ワークから生み出される緊張感と厳粛さが素晴らしい。
傾斜と水平、決して交わらない視線、…
あまりに美しく、精緻に組み上げられた画面というものは作為ではなく、奇跡のように見えてしまうことを知った。神性を帯び、畏怖すら覚えてしまうまでに。この約2時間の映画鑑賞はそういう体験だった。
空間に…
(c) Danish Film Institute