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ベニーズ・ビデオのtyapiokaのレビュー・感想・評価

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)
3.9
2018.09.17
ハネケにしては説明的というか主人公がキャラクターじみていた。カメラを常に回し、コミュニケーションがうまくとれず、ビデオ好き。レイプ魔はアニメ好きだったというような短絡さでハネケの嫌う説明的なキャラクターな気がした。入れ子構造は流石と思う部分。また、撃ってしまったあとに「黙ってよ」と言うあたりや、退屈な母親との旅行シーンや、死体処理の計画で思わず吹き出すシーン、長回しのエスカレーターのシーンは独特のリアリティがあった。
2021.08.15
溢したものすらうまく拭き取れない現実と巻き戻し可能なビデオの世界。ベニーはビデオで本当に現実をコントロールし、両親にすべてを負わせる。「ごめん」とは言うものの、ある種の復讐にも思えた。自分を見なかった親を売る。ラストはベニーも捕まったのだと思っていたが、両親が黙り続けるか庇い続ける限り、捕まらないのだと気づき戦慄した。シーンの見せ方一つ一つに性格の悪さががあり、愉快な音楽と母の絶叫は最悪で最高な組み合わせ。インタビューがとてもいい。
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