ベニーズ・ビデオの作品情報・感想・評価

「ベニーズ・ビデオ」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

3.9
撮影されたら手ブレも生々しく、再生されても粒子が荒い映像でしか映し出されることのない「ビデオ」の画像とミヒャエル・ハネケの映画本来のクールな質感の画像が溶け合って、曰く言い難い世界を作り出しているように思う。主人公のベニーは「ビデオ」の画像に没頭する人間、つまり「ビデオ」を通してしか現実と関われない人間なのだろう。だから彼は人を呆気なく殺す。ネタを割るのは慎むが、そんなベニーが自我の内側に閉じこもっていたのが、旅行に行ったことで「外側」つまり「リアル」を観たと解釈するのが妥当なのではないか? だから改心したのではないか……そんなようなことを思って観てしまった。もちろんこれはかなり単純化された感想でしかなく、「スジ」でしか映画を観られない私の限界なのだろう。飛び抜けた傑作、というのではないと思う。しかし、犯罪者の生々しい心理に敢えて淡々と客観的に触れた佳品として私には映った。
kny

knyの感想・評価

3.7
不気味でクセになる
とか言うけど、恐ろしすぎ
tyapioka

tyapiokaの感想・評価

3.4
記録整理。
悪さをして親に庇われた時の居心地の悪さなら身に覚えがある。大人になると取り繕うことが上手になるけどそういう時に本当は何て言って欲しかったか、ちゃんと考えねばと思う。
KiNSS

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4.5
めちゃくちゃ面白え~…“映画”というものの核心を突く作品。
私たちの見る“映画”は現実ではない。
そしてベニーの見るビデオはパッケージされた“現実”。
なのに、彼や両親たちはどこかそれを架空のもの、映画のようなものを見ているような冷ややかさで、ああしようこうしよう、こうすればバレない、トイレに流せばいい、なんて“現実”に対してもどこか他人事で冷静で声を荒げることもない。
画面の中の世界と自分の目で見る世界のあやふやさ。何が違う?
すごく現代的で色んなことを思い出してしまう。

ベニーの時々みせるふつうの少年らしさ。事件発覚後の両親(とくにお母さんですね)無茶してる感じ。とても辛い。

なにより、おまけの監督のインタビューが本当に良かった。監督は答えを用意しない。答えは観客の中にある。そもそも答えなんてないけど。この堂々たる丸投げっぷり、素晴らしかった。
映像内映像に入り込んでいく程、現実はいよいよ遠ざかる。やりたい事は分かるんだけど、ここまで構造を意識させられると、妙に疲れる。この主演俳優はファニーゲームでもクズをやっていて、味わい深いね。
ハネケ監督の狂っちゃってる世界観に魅了されました。

なんとなく?

現実と、非現実のボーダーライン?

考えさせられました。好きです。
念願叶ってやっと観れた。ハネケらしい暗い、陰湿な雰囲気漂う映画。
少年ベニーは女の子を殺してしまう。それに気付いた両親は死体をトイレに流す事を思い付く。
ハネケのインタビューも含めて観ると更に面白い。ビデオと現実を混同するととても危険と言っている。
「なぜ殺した?」「どんなものかと思って」
これは現実と関わりの持てない人間の言葉だ。
変態に見えない奴に限ってむっつりだったりするように、主演の少年も一見フツウの少年なのに、なんとなく殺人してしまう辺りが恐ろしくて狂気的。両親が少年を庇うシーンもイラッとするがラストまで目を離せない。
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