tjZero

フィラデルフィア物語のtjZeroのレビュー・感想・評価

フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)
4.2
セレブのお騒がせ娘トレーシー(キャサリン・ヘップバーン)が再婚を発表。
ゴシップ誌から記事を依頼された作家のマコーリー(ジェームズ・スチュワート)は、彼女と2年前に破談したデクスター(ケーリー・グラント)の助けを借り、元夫の友人として結婚前夜の花嫁宅に滞在することになる…。

勝ち気で芯が強くて、二日酔いになろうが浮気心にとらわれようが、常にエレガントなヘップバーン。

優しさにあふれたソフトな物腰のナイスガイ、スチュワート。

ニヒルでダンディ、酸いも甘いも嚙み分けたようなグラント。

この魅力的な、豪華三大スターの顔合わせ。構図としては、レニー・ゼルウィガー&コリン・ファース&ヒュー・グラントの『ブリジット・ジョーンズの日記』を思わせるが、その偉大な先輩、といった感じ。

ジョージ・キューカーの演出にまあ、テンポとキレがあって、登場人物全員が、通常よりも重心が5センチ上にあるかのようにキビキビと軽やかに動き回り、スピーディーに台詞を語る。
ヘンな例えだけど、全部のキャラクターが”よくメンテナンスされて”いるように見えて心地いい。着実に機能して、物語を転がしていく。
ヒロインの幼い妹が、恋のキューピッドのようにストーリーをひそかにコントロールしている所が、現代のおとぎ話みたいで面白い。
tjZero

tjZero