暮色涼風

有りがたうさんの暮色涼風のレビュー・感想・評価

有りがたうさん(1936年製作の映画)
3.8
どれだけ安売りしてもお互いに気持ちの良い言葉、"ありがとう"。
↘︎↗︎→↗︎→
この訛ったイントネーションが癖になる。

バスが人を追い越すところは必ずカットバックで、追い越された人は道の中央にいる。
人が避けなければ通れないような狭さの場所でもそのように見せていて、普通ならバスが"邪魔だ"という意味でクラクションを鳴らしそうなものだが、この映画でのクラクションは存在を教えてあげる、感謝を伝える、という挨拶代わりになっていて、ポジティブな使い方がされている。
危険を知らせるための、極力鳴らしてはいけない現代の使い方とのギャップを感じる。

戦前の日本で、これほどの他人への思いやりや気遣いが描かれていることに、不思議な感覚を覚える。
気が変になっても、他人に感謝の言葉を言える人間でいたい。

川端康成の小説は『雪国』しか読んだことがないので、もっと読んでみたくなった。

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