1957年のプロムの夜、男を次々と弄ぶプロムクィーンの悪女メリー・ルー。
彼女は恋人の嫉妬により、クィーンを讃えるステージ上で焼死させられる。
それから数十年後のプロムの夜、その恋人が校長となったハイスクールで、悪霊として蘇ったメリー・ルーは一人の少女に乗り移り、再びクィーンに返り咲こうと邪魔者を次々と惨殺してゆく……。
プロムを舞台に巻き起る惨劇を描いた『プロムナイト』の2作目。
『プロムナイト』の続編ではあるが、前作との繋がりは特になく、30年前のプロムで焼き殺された女性メリー・ルーの怨霊をテーマにした作品です。
唯一の共通点といえば、舞台が前作と同じハミルトン高校という点か。
『エクソシスト』と『キャリー』と『エルム街の悪夢』が混ざったみたいな話です。
単なる復讐劇でしかなかった1作目と較べると、ずいぶんホラーっぽくなった印象。
物語はかつてプロムの夜に恋人の悪戯で、亡くなったメリー・ルーが、現代に蘇って...というストーリー。
スラッシャー映画というよりは、蘇った幽霊による復讐劇というオカルト路線にジャンルを変更されている。
スプラッター描写は増しましたが、代わりにサスペンス感は少なくなった気がします。
ジャンルは変わってますが、出来栄えは前回と比較すると、個人的には今回の方が良いと思いました。
真面目な家庭で育った女子高生が乗り移られて豹変していく姿はけっこう凄い。
憑依されていく恐怖感など、脚本・演出はなかなかです。
前作と違うジャンルになったことで悪い評判もあるようだが、決して嫌いではない。
人が襲われちゃうネタも多種多様で良かったですし、エッチな場面があるのも良い。
全裸でモザイクかかりまくりの大乱闘は、この作品の最大の見せ場ではないだろうか。
ただし、ストーリー的には破たんが多い。
特に、序盤でメリー・ルーを殺した(事故とはいえ)犯人が逮捕されずに校長になっているなどというのは、いくらなんでもありえないと思うし、殺人が起きているのに何事もなくプロムが開催されるのもどうかと思う。
連続殺人なのにラスト以外警察も全く出てこないのもおかしいし。
さらに言うなら、当時37歳のマイケル・アイアンサイドが高校生を演じるのもかなり無理があった。
めっちゃ若ハゲじゃん!
でもまぁ、適度に怖くて終わり方もホラーとしては良いと思うので、観て損はしないと思います。