絢爛豪華なアート絵巻!絵づくりにこだわるグリーナウェイの偏執狂っぷりたるや。
シェイクスピアの『テンペスト』を基にした作品。プロスペロー(ジョン・ギールグッド)のほぼ一人語りで、会話はほとんどない。プロスペローが魔法を得るために読んだ24冊の本を映像化しながら話が進んでいく。ひたすら圧巻の映像美を堪能した。
それはそれはアートな映像で、どのシーンも絵画のよう。画家を目指していたというグリーナウェイの芸術性が突出した作品だった。マイケル・ナイマンの音楽も素晴らしかった。
セットや美術、衣装へのこだわりもすごいけど、無修正の全裸の人たちが常に何十人も映っていて、演出が大変だったろうなぁと感心してしまう。本来の人間の姿を猥褻にしているのはボカシのせいだって実感できる。
私は途中から胸焼けしたけど、劇場で見逃したのが悔やまれます。