アリスは暖炉の前で猫のダイナを抱いて絵本を読んでいたが、飽きて雪の中へ出て遊びにいきたい。
が、家庭教師が許してくれないので、仕方なく猫のダイナを鏡の前に連れていって、鏡の向こう側のお部屋が見たくないかと訪ねます。
アリスが鏡の前へ立って鏡を強く押すと、アリスのからだは鏡の向こう側へ抜けることができた。
1903年版、1910年版、1915年版に続いて4度目の映画化。
ただし1931年にもう1本あったらしいが、あまり知られていない低予算映画で、アリスの初の音声映画だったらしい。
テレビ放映なども行われていないとのこと。
さて、無声映画時代に短編でアリスは作られましたが、おそらくこれが本格的に作られたアリス映画の初作でしょう。
パラマウントがかなり力を入れて作っているみたいで、当時のスターが総出演です。
ストーリーは『不思議の国』『 鏡の国』をうまくまとめて紹介したといった感じ。
冒頭はなんと『鏡の国』からと大変珍しいタイプです。
というか、タイトルは『不思議の国』ですが実質的には『鏡の国』の方が多いかな?
この映画は、のちのアリス映画の雛形となります。
現在のようなスペシャルメイクの技術がない中で、忠実にテニエルのイラストを再現しようと努力しているのが伺える。
でも不思議というよりも、狂っている世界のアリスの方がしっくりくる。
登場人物全員がおかしく、アリスの絶妙な突っ込みがまた笑える。
そしてこのアリスがとにかくめちゃくちゃ可愛い。
個人的にこのアリスが一番可愛いと思っています。
チェシャ猫と帽子屋もイケメンとか、どこの恋愛シミュレーションゲームなんでしょうね。
あと、英語がわりと聞き取りやすいと思ったら、クイーンズイングリッシュだったんですね。
原作を子供でも楽しめる形でまとめ、映像化したという意味で、良き時代のアメリカ映画といえるでしょう。