茜

マシーンヘッドの茜のレビュー・感想・評価

マシーンヘッド(2004年製作の映画)
3.8
アルバトロス配給のホラー(?)コメディで、紛れもなく安っぽい映画ではあるんだけど、ゲテモノ的な意味では光る部分があって面白いです。
序盤はホラー、中盤はコメディ、そして終盤まさかのお涙展開…からの叩き潰し!
どんだけ鑑賞者を振り回せば気が済むんだって感じだけど、抑揚があり過ぎて全く飽きなかった。

主人公マックスは科学野郎で、父親の営む葬儀屋の仕事を手伝いもせず、日々自室でパソコンをイジり怪しい研究を続けている。
その研究は死体にエンジンを接続して蘇らせるというもので、無事成功して蘇った死者(マシーンヘッド)が街に繰り出しパニックが起こるっていう話。

本当に映画としては決して優れてるとは言えなくて、先ずこのジャケ写からして詐欺だし、こんなにメカニックでキリッとした顔の男性は出て来ない。
実際に出て来るマシーンヘッドは小太りだし、もっと安っぽいエンジンを肩に乗っけてるだけ。
主人公のマックスは一応高校生という設定らしいんだけど、マックスも同級生も明らかに老けてる。
映像だって画質も悪いし、いかにも素人っぽい安っぽさ全開。
でもそういうところすら面白かったし、ゲテモノ好きな人ならきっとハマる…はず。

死者を蘇らせるまでの過程はまぁホラーっぽい展開だけど、マシーンヘッドが出てきてからは完全にコメディで最高。
肩に乗せてるエンジンの振動がデカいから常にブルブル震えてるし、その動きで街を徘徊しながら様々なトラブルを巻き起こしていく流れが本当笑える。
何故か蘇ると怪力になるらしく、触れただけで人の身体が破壊される割に、主人公に手がぶつかった時は「ぺちん!」ってやたら良い音のビンタ止まり。
自らエンジンにガソリンを補給しに行くシーンや、自分の姿を鏡で見て絶望するところなんかも愛嬌たっぷりです。
マシーンヘッド役の俳優さんがかなりの熱演だったので、ここでちょっと点数上げちゃいました。

唐突な感動のラストに戸惑いつつ、落としてまた落とすオチにはやられた。
意外とリメイクしてみたら正統派な良作に仕上がりそうな気配もありつつ、やっぱり私はこのポンコツ感が好き!
茜