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ウディ・アレンのザ・フロントのmhのレビュー・感想・評価

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ハリウッドに吹き荒れた赤狩りについての社会派コメディ。
ブラックリストに名前が載った映画人たちの苦悩を早い段階で映画化している。赤狩りの総本山、下院非米活動委員会の廃止が1975年なので1976年はとんでもなく早い。「真実の瞬間(1991)」なんて遅いすぎるくらい。
ウディ・アレンがさほどウディ・アレンしてないと思ったら、この映画では役者としての出演にとどまっている。バイオグラフィーを紐解けば翌年「アニー・ホール」で大ブレイクするようだ。
主人公は監督自身で、登場人物にもそれぞれモデルがいる。面白いのは「真実の瞬間」と似たようなプロットを有しているのに、人物かぶりが見られないところ。セクトが違ったということなのかね。それとも、マッカーシズムの犠牲者が思ってる以上に多かったというか。
迷った末に、協力しないことを決めてエンドだった。
題材は面白いけど、映画はそこそこの出来にとどまっていた。
妙な言動を取った人物が飛び降りるくだりは、既視感あるけど強烈な印象を残す。
マッカーシズム関連の映画をもっと見よう。
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