クシーくん

宇宙人東京に現わるのクシーくんのネタバレレビュー・内容・結末

宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

まずなんと言ってもタイトルが痺れますよね。
バリバリのSF映画なのに横文字を完全に排した上、「宇宙人」と主語を大きくしておいて、よりにもよってこの広い地球上の「東京に現わる」。現わるですよ。良いなあこのセンス。

スチル写真では荒らされた東京駅前をヒトデ型の巨大なパイラ星人が闊歩しているので、宇宙戦争的な侵略ものかと思いきや、地球に巨大な隕石が落ちて来る事を警告に来てくれた善良な隣人。サイズも普通。騙された。デザインは岡本太郎らしいが、先達の特撮映画やウルトラシリーズを始めとした後続の特撮ドラマとも違う微妙な造型はヘタウマ的な味わいがある。

帝劇の美女スターである青空ひかり兼パイラ人の化けた天野銀子役を演じる苅田とよみは正直美人ではないが、作品に合ったコケティッシュな雰囲気があって良いと思う。

プロットや作品全体から漂う50年代臭は否めないが、古き良き作品という趣。
クシーくん

クシーくん