TAK44マグナム

ザ・コールデストのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・コールデスト(2008年製作の映画)
3.6
お婆ちゃん最強説!


雪山で殺人ざんまいのツルハシキラーが暴れまわるノルウェー産スラッシャーホラーの第二弾!

前作「コールドプレイ」のラスト直後から始まる直接的な続編となっております。
病院が舞台となっていることもあって、なんとなく「ハロウィン2ブギーマン」みたい。

前作で唯一の生き残りとなったヤンニケが保護されます。
彼女の証言から、クレパスに落とされていた仲間たちの遺体、そした殺人鬼の遺体が回収され、ヤンニケが入院した病院へと運ばれます。
この病院は閉鎖が決まっており、患者はヤンニケの他にお子様と少々ボケたお婆ちゃんがそれぞれ1人ずつのみ。
あとは、医師と看護師、護衛の警官がくっちゃべったりしていました。
すると、なんとまあ!
いきなりの不死身設定(元々、多少死んでても生き返る体質らしく、今回は低温だったので仮死状態みたいになっていたらしい)が語られ、殺人鬼が復活しちゃいます!
止せばいいのに電気ショックで心臓フル回転を助けたりするもんだから元気100パーセント!
蘇った殺人鬼は、看護師や警官を惨殺、自分を一度は殺したヤンニケに復讐するためなのか、病院内を停電にして徘徊し始めるのでした。
一方、ヤンニケはお子様を伴って様子を伺いつつ、彼女もまた恋人や仲間を殺した殺人鬼への復讐にメラメラと燃えていたのです!
ヤンニケVS殺人鬼の第2ラウンドが始まった〜〜!!

前作から監督が変わり、スラッシャーホラーの王道という点では踏襲しながらも、アクションを増量して変化をつけておりますね。
今回は警察が絡んでくるので、後半は武装した警官が殺人鬼と戦う・・・と言うか、一方的に嬲られるという展開もあります。
パトカーをツルハシで穴ボコだらけにするシーンが勢いあって好みでした。あれは怖い。

残酷描写もホンの少しだけグレードアップ。
とは言うものの、腕や指が千切れたり、凶器が身体に食い込むのをちゃんと見せている程度で、そこまでグロいわけではありませんのであしからず。
そして、何故かまたもや必殺キャメルクラッチを使います。
グギッと殺っちゃいますよ!
そんなに好きなのかキャメルクラッチ(苦笑)

そうそう、前作の登場人物が死体役で総出演しています。
同時撮影というわけでは無いでしょうし、こういうのって珍しいんじゃないですかね?

それでもって、てっきり病院ですべて完結するものだとばかり思っていたら、クライマックスは前作の廃ホテルへと舞台を移します。
短いながらも、ヤンニケと殺人鬼の因縁のタイマン勝負が見られてウホッと満足!
そして、絶体絶命のヤンニケはどうなってしまうのか?!
ワンパターンながら、こういうの嫌いじゃありません。
安心してドキドキできますよ。

一面の銀世界で、朝の陽光に照らされながらのラストってのも、こういったスラッシャーホラーだと意外性があってオツじゃないですか。最後の対決は、だいたい暗い夜だったりするものだし。

愛用していたツルハシと新しく拾ったツルハシのどちらを使おうか手にとって比べている殺人鬼がお茶目。
やたらとお手洗いに行きたがるお婆ちゃんも良い。
ちょっとしたユーモアもあって、前作が不満だった方も普通に楽しめる出来になっていると思います。

相変わらず堅実な作りで、前作を踏まえた上ではありますが続編の方が出来が良いという見本。
というより、本作の場合は前作とセットで一本の映画として観るべきなのかもしれません。
レンタルで、あと一本借りれば安くなるという場合のラストワンチョイスに如何でしょうか。


セルDVDにて