コマミー

アンドリューNDR114のコマミーのレビュー・感想・評価

アンドリューNDR114(1999年製作の映画)
3.9
【人間になりたい】

[気まぐれ映画レビューNo.94]


私の好きな作品の中に、キューブリック原案・スピルバーグ監督作である「A.I.」がある。少年型アンドロイドが本当の子供・親子になる為に、何年も旅をすると言う名作だ。
私は"アンドロイド"が"人間になる為"に奔走する物語が好きだ。恐らくいろいろあるのだろうが、その中でもう一つ名作を挙げるならばこの「アンドリューNDR114」だろう。パッケージから漂う名作感……実際に観ても名作だった。

「A.I.」よりも親しみやすいアンドリューの"人生"についての物語となっていた。
"NDR114"は"家庭用アンドロイド"だ。
それゆえ、人々の生活に触れ、家族に大事にされていた。人々の生活に長らく触れるが故、高性能なアンドロイドはやがて"自分の個性"について考え始めるのだ。
感情も成長し、自分の今の状態に"疑問"を持つ…自分もいざ彼の「所有者」となったら戸惑いを隠せないだろうが、"素晴らしい変化"とも言える。そんな彼の光景を見て、人々は「人間らしくとは何なのか?」と考えずにはいられない。

"ロビン・ウィリアムズ"の演技がとにかく良い。彼の人間性がもたらした優しい演技であり、それがNDR114の個性を引き出す形となった。
そして劇中を奏でる"ジェームズ・ホーナー"の音楽も、壮大でとても美しかった。

"ラストのシーン"は実にのちの「A.I.」にも通じるものがあった。本作を観た上で「A.I.」を観ると、アンドロイドが"愛を知りたい理由"がより分かる作品となっている。

とても価値のある作品です。
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