竜平

アンドリューNDR114の竜平のレビュー・感想・評価

アンドリューNDR114(1999年製作の映画)
4.3
そう遠くない未来、ある一家に仕えることになる手伝いロボット、通称「アンドリュー」の生涯を描くSF的ヒューマンドラマ。

これまた何度も何度も見てる個人的お気に入りの一本。まずは何よりもロビン・ウィリアムズのロボ演技、溢れ出るその魅力というのを存分に堪能できる内容。後半の生身姿はもちろん、前半のロボ姿もじつはちゃんと彼が演じてたりする。そのユーモアと哀愁、いやはや素晴らしい。アンドリューと名付けられる「彼」が一家と交流していく中で次第に感じ、考えていく様、そこに芽生え、育まれていくもの、それはじつは非常にシンプル且つ純粋なものでありながら、こういった形で提示されることによってまた改めて気づくものがあったり。本で読んで学習する描写には時代をちょっぴり感じる、今だったらネットに繋いでパパッと会得、みたいな感じで描かれるよね恐らく。感情が生まれて、やがてそれを表に出すこともできるようになりどんどん表現は豊かになっていくけども、終始漂うのは個人としての「孤独」というもの。心から体まで、ロボットが人間に近づいたらどうなるかという話、人権やら何やらもきっとあるだろうね。で、完全には相容れないという得も言われぬ切なさは香るものの、全編通してハートフルに朗らかに描いてくれる。ちなみに今作で描かれてることの本質的な部分や汚さをとことんリアルにしたのが『エクス・マキナ』かな、なんてふと。そうそう、人間と同じように「形式」や「立場」みたいなものにまで思考し始めるあたり、なんとも深いなと。かと思えばどこまでも理論的なロボットの姿もあって、人間の複雑さ厄介さというのを再確認。そうだよなー「恋の駆け引き」みたいなのも人間だけの話だよなー、めんどくさかったり、まどろっこしいことって本当にたくさんある。総じて「だからこそ人間は美しい」というか、人間賛歌のようにも見えるのは俺だけなんだろうか。

今作にはあまり関係ないけど、ロボット三原則みたいなやつ、こーゆー題材の映画でよく出てくるよね。議論のしがいがある話、とても好き。あとサム・ニールってやっぱりこーゆー役が似合うよなと。
竜平

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