成川ジロー

大怪獣モノの成川ジローのネタバレレビュー・内容・結末

大怪獣モノ(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

プロレス界でも唯一無二の頭のおかしい(良い意味で)男飯伏を怪獣と戦わせたらって言う基本コンセプトの部分は思ってた以上にちゃんとできていた。
怪獣相手にいつものプロレス技を惜しみなく繰り出すのはやっぱりそれだけで面白い。怪獣をちゃんと丈夫に作ってあったと思うんだけど、飯伏の攻撃に手加減が見れず、ほんとうにいつもどおりにバチバチやっていたので楽しかった。
しかし他のところは色々問題があって、何もかもが中途半端で及第点に届かない。まあ前述の基本コンセプトの部分ができてれば良いのかな?ちょっと制作するにあたっての志が低いように思えた。
ラストの展開も、これだと鈴木みのるが飯伏の上位互換みたいになっちゃってるから、別の格闘家の人かなんかに薬を打っちゃって、それが巨大化してモノを圧倒するも、悪の心が強すぎて暴走して、モノは実は悪くないとわかっても殺そうとしてしまい、そこに修行を終えた飯伏がやってきて巨大化して、モノとタッグを組んで鈴木みのるをやっつける。って言う展開にした方が絶対良かった。飯伏の修行全く意味ない展開になっちゃってたし。
高木三四郎の台詞とか亜門さんとか、DDTファン向けにサービスしてるのに、フェニックス・スプラッシュを繰り返し見せるカットとかムーンサルトじゃね?って言う方向から飛んできてたり、プロレス的に雑な部分も目立ったりする。絶対にもっともっと詰められるだけに残念。

あとこれは映画の事ではなく映画館でのことなんだけど、映画館をプロレス会場と勘違いしてるお客さんが多過ぎる。右隣のおばさんは飯伏が何かする度に「あぁ~幸太~!幸田~!!」と普通に喋ってるし、左隣のおじさんも「いいねいいねー」「ここでみのる来たか~」とかずっと独り言をブツブツしゃべり続けていた。気持ちは分かるけど、映画館だから。飯伏のファンしか見に来てない可能性もあるけど、映画館だから。映画鑑賞のマナーは守って欲しかった。
成川ジロー

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