ナンパはスマートに。
フランスにウキウキ旅行にやってきたレックスと恋人のサスキア。ところが途中立ち寄ったドライブインで、サスキアが行方不明になってしまう。あれから3年、レックスは未だ彼女の行方を捜し続けていた。ある日、そんな彼に怪しい手紙が届く。
地味な作品ですが、最後はとってもイヤ〜な気持ちにさせられました。話自体は、まぁありそうなネタで、サスキアを誘拐した犯人もあっさり登場。なので犯人を推理する系ではないんですけど、上げてから突き落とす系のつれない展開がキツかった。
ラストを迎えるまで、レックス(被害者)だけでなく、誘拐犯レイモンの日常や犯行の予行演習がたっぷり観れるんですが、レイモンはかなり社会的に上の人間で、仕事もお金も幸せな家庭も持っている。そんな彼がスマートな犯罪を目指して、一生懸命誘拐の練習をしている様子は、恐怖というより若干笑えるので、観客はレイモンに妙な親近感を抱いてしまう。彼はどこにでもいる普通の人間なのだと。
まとめると、すっごい好きな子がいたけど、その子にとっては自分がそこらへんに生えてる雑草くらいの価値しかないことを知ったときの気持ちになれます。
