福福吉吉

ゴッド・ギャンブラー IIの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ゴッド・ギャンブラー II(1990年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
「賭神」コウのもとで修業を積んだトウは「賭侠」としてギャンブルで儲けたお金を慈善事業に寄付する人生を送っていた。一方、超能力者のシンは私欲のために超能力を使うと災いが起こるため、ギャンブルの腕を磨いて一攫千金を狙い、トウに「賭神」コウに連絡をとってくれるよう依頼する。しかし、コウは相手にせずシンはトウにつきまとうようになる。そんな矢先、トウは何者か襲撃され、トウはシンとともに逃げるハメになる。

◆感想◆
「ゴッド・ギャンブラー」(1989年)でコウに憧れていたトウ(アンディ・ラウ)はギャンブラーとして大成するとともに、コウに恨みを持つ人物に狙われるようになるストーリーとなっており、その最中で超能力者のシン(チャウ・シンチ―)がトウの相棒として絡んできます。一応、コウ(チョウ・ユンファ)の映像(多分1作目の使いまわし)があるのですが、期待しない方が良いです。

トウはアメリカで大成し、香港に戻ってきて慈善事業に従事しており、最初は大物感があったのですが、ギャンブラーになりたいシンが絡んでくるうちに昔の姿に戻っていきます。これは悪いことではなく、本来のトウの等身大の部分が出ていて良かったと思いますし、コミカルさも出ていました。

一方、超能力者のシンは伯父のダッとともにギャンブラーとして大成するべくトウにつきまとうようになります。シンとダッのコンビはかなりふざけた存在でやることなすことバカバカしく的外れな行動を繰り返し、本作のお笑い要素を一手に引き受けていました。シンの超能力が本作のストーリーに大きく絡んできて、彼の超能力がトウとのコンビで活躍する展開はなかなか面白かったです。シンの超能力でできることが決まっておらず、ストーリーの穴を埋め合わせるようにその場を凌ぐ超能力が発揮されるのはご都合主義ですが、面白いことに振り切っているので良かった。

ストーリーはかなりハチャメチャなのですが、軸として「ゴッド・ギャンブラー」でコウに敗れて刑務所に服役中の賭博王が恨みを晴らすべく、息子のハウにコウの名を失墜させるために弟子のトウを狙わせるという展開になっており、トウとハウの対決が見どころとなっています。ただ、シンがその対決にしっかり絡んでいるので、シリアスさは薄目でかなり明るくコミカルなものとなっていて、緊迫感のある展開は望めませんが、気を抜いて楽しく観ることができました。

本作は正確には「ゴッド・ギャンブラー」の正当な続編ではないようなのですが、そんなことを差し引いても十分に面白い作品になっていて良かったです。本作前半のシンのギャグシーンの連続に辟易するかもしれませんが、これも当時のテイストとして楽しめました。

鑑賞日:2025年9月17日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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