くぅー

サンシャイン・クリーニングのくぅーのレビュー・感想・評価

3.9
30代で一人息子のいるシングルマザーは、昔は花形チアリーダーながら、今はハウスクリーニングの仕事と不倫関係で、冴えない自分を何とか鼓舞して過ごす日々・・・そんな姉同様に、何をやっても上手く行かない妹も独り身で、風変わりな父親と実家で同居生活。
ある日、姉はひょんなことから陰惨な事件現場のクリーニング業が高額な報酬になると聞き、妹を誘って、"サンシャイン・クリーニング"と看板を掲げてスタートし・・・順調に軌道に乗った様に見えたのだが...。

やはりあの『リトル・ミス・サンシャイン』をちょいちょい意識させてる感はあるが、明らかに似て非なる作品で・・・ぶっちゃけ、あれほどの完成度はなくスカスカとも思えるが、そんなのお構いなしにとにかく淡々と進ませるあたりが逆にリアルに感じたりして、ついつい見入ってしまってた(笑)

そう、他人の過去をクリーニングしつつ、自分の過去も密かにクリーニングして行くのが見所でもあり・・・喜怒哀楽の揺れを随所に絶妙に織り込んであるので、それに合わせて色んな表情で見てましたね。

まぁ、本作も負け組と言うよりは不器用な者達のドラマで、生きてれば器用じゃなくても何とか輝ける可能性はあって、いい感じに心が洗われた余韻にもなり・・・『おくりびと』をも彷彿させる隠し味もあったりして、控え目な愛おしい小品です。

なお、キャストでは、エイミー・アダムスとエミリー・ブラントのコンビネーションに尽きますね・・・大胆かつ繊細な熱演に拍手。
くぅー

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