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鏡の中にある如くのヨウのレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
4.1
愛すること。それが神の存在証明なのだ。信仰すら届かない人生の現実に達観しながらも結末で導き出されたパーフェクトアンサーを凝視しゾワっと鳥肌が立った。のっぴきならない精神疾患を抱えた少女とその家族。傷つき傷つけられようと、欲望に呑み込まれようと、根底にある不変の絆は皆を救済する装置と化す。人間の忌々しい性、そして神の沈黙さえ超越する”愛”とはかくも素晴らしきものなのか。ベルイマンの残した深いメッセージには頭が上がらない。モノクロームで彩られた秀麗な海の景色が只々美しい。
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