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鏡の中にある如くのsonozyのレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
4.5
イングマール・ベルイマン「神の沈黙」三部作、やっと見始めました。
アカデミー賞 外国語映画賞。
英題「Through a Glass Darkly」は新約聖書に収められた書簡の一つ《コリント人への第一の手紙》 から。
わたしたちは今、鏡におぼろに映ったものを見ている(We see through a glass, darkly)が、いずれはっきり知ることになる。
信仰と、希望と、愛。この三つはいつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。
的なお話のようです。

スイスから戻ってきた小説家の父ダビッド、精神を患い退院したものの再発の危険がある娘カーリンと17歳の弟ミーヌス。カーリンの夫・医師のマッティンが、夏休み、孤島で過ごしている。

壁の向こうにいる神がクローゼットから出てくるのを待ち、精神が崩れていくカーリン。
崩れていく娘を観察し小説のネタにしようとしている父。
戯曲を何本も書き、父からはライバル視されているが、思春期ならではの悩めるミーヌス。
カーリンに愛していると伝える事しか出来ない夫マッティン。

カーリンの変化と共に4人の関係も大きく変化します。

私は無神論者か有神論者かと問われれば、窮地に立たされた時だけ都合良く神頼みしてみるテキトー論者?ですが(笑;)、"愛が神そのものなんだ"という父の言葉は、何やら刺さりました。
もちろん、モノクロの映像美はさすがベルイマンです。
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