まりぃくりすてぃ

鍵のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

(1987年製作の映画)
3.0
キアロスタミが脚本。「赤ちゃんにミルクをあげといてね」と5歳の兄ちゃんに言い渡し、鍋を火にかけたまま「ちょっと買い物に行ってくるわ」と出かけた母親が、それきり長時間戻ってこない。兄ちゃんは早々から、赤ん坊よりも小鳥の世話を優先して哺乳瓶のミルクを鳥籠の水受けに注いでしまい、残りは自分で飲んでしまうなど、目も当てらんないボケを突っ走る。濡らした服を着替えさせる手際は、まあまあかな。そのうちに、鍋からは焦げのニオイが立ち立って、、しかし、鍵がないために内からも外からもドアは開かずに、近所の大人たちが心配する中、合鍵探しに奮闘する兄ちゃん。。。。 といえば、手に汗な快作が予想されるけど、面白さはごく普通。展開が母親(最初以外に出てこない)の非常識を否応なしに印象づけてくれちゃってるので、このエンタメ&啓蒙のサスペンスを私は「そんな母親いるわけないじゃん」と楽しみきれない。たぶん、往復15分のつもりで出かけた先で、車に撥ねられたんだろうね。終盤、鍵をやっと見つけたあたりまではゴキケン演出かもだったが、やっとの鍵が箪笥の下に滑り入ってからの単調なカチャコチャカチャは、図に乗りすぎでダラダラ。並行して救急搬送の母親でも描いていけば、もっと立派な脚本に。ハードな子育てを頑張ってる世の母親たちにもっと優しい目線を向けて書いてほしかったよ。でも。ラブリー度は高い。。
本作は私、子供の時に劇場で観たっきりほとんど忘れてたんだけど、最近『クローズアップ』の録画ビデオを引っ張り出して観たその後に入ってるのをたまたま見つけ、二十数年ぶりに再鑑賞。BSからか地上NHKからだったかはよくわからない。

ところで、縁あってこの文章読んでくれた人に、教えてあげる。家庭でさっと作れるイラン式のおやつのレシピだよ。夏にスイカ🍉食べるでしょ? その食べカスの皮を、捨てないで再利用するの。皮の一番外側(厚さ5㍉ぐらい)を細切り・ざく切りとかで(形状は自由に)細かくしてから、砂糖をたっぷり入れた少量の水で煮ます。焦がさないよう気をつけて、フワフワの軟らかさにしたら、カルダモンを加えて、冷ましたら出来上がり。冷蔵したらグンと美味しくなります。イランの家庭でしょっちゅう食べられてるおやつです♪ 緑色だったのがコンブみたいな深い暗色に変わってて、元がスイカの皮だったなんて誰も思わないぐらい、不思議な古代ペルシャの味と香り。お酢々芽! 🍉🍉🍉🍉🍉🍉🍉🍉🍉🍉
ちなみに、マリんちでは昔、夏にスイカを夜ごはんのデザートで食べるたび、翌朝に母が味噌汁にスイカの残りの白いところをいっぱい入れるので、私(小マリ)も兄も怯えてた。美味しくないんだもん。叔父さん(イラン人)の教えてくれた美味しいスイカカルダモンとともに、スイカ味噌汁が、夏の風物詩だった。いつかイランに行って、本場のスイカカルダモンを食べてみたいな🍉🥰🍉🥰🍉🥰🍉🥰🍉🥰🍉🥰🍉🥰🍉