あめみや

風の中の牝鷄のあめみやのレビュー・感想・評価

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)
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夫が戦争に行っている間、急病を患った子どもの入院代に困り一度だけ売春をしてしまう妻。その後帰還し、事実を知った夫との関係を双方の視点から描く。

階段から落ちた後、よろつきながらも一段一段ゆっくり階段を上がり、修一にすがるように謝り倒す時子の姿がすさまじかった。
そういう時代だったのかもしれないが、あそこまでして主人を慕うもんなんだろうか?修一は倒れた時子を心配するような素振りを見せるけど、だったら時子の側に寄って起き上がらせるとかしないんだろうか?さっさと一人で部屋に帰っちゃってさ! とは何回も思った。。笑

修一と抱き合う時子の手が固く結ばれていくカットには感服…!!
これから何があっても夫婦で助け合って生きていくんだ!という強い決意と絆のようなものを感じさせる。

佐野周二さん、ダンディでかっこいいなぁ。
若い頃の笠智衆さんは初めて観たかも。声は変わらないんだなぁ。


◆番外編◆ 軽いネタバレ含む
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時子を許した後、大丈夫か?歩いてみろ。って言われて時子が歩くんだけどフラフラするという流れから、
→ダメじゃないか。これじゃあまた病院代かかっちゃうな!(笑)
という修一のブラックジョークでのENDを一瞬想像したが、無論小津はそんなことはしない。
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