河豚川ポンズ

スペクトルの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

スペクトル(2016年製作の映画)
3.9
ビジュアルと設定だけで100億点の映画。
でも不思議と5点満点にはならないんだな、これが。

内戦状態にある東欧の小国モルドバにて、兵士が超常現象によって次々と死んでいくという不可解な事件が起こっていた。
兵士が着けているカメラには何も写らないが、装備の特殊ゴーグルにはまるで幽霊のようなものが写っていた。
アメリカ軍はこれを敵のクローキング装置によるものだとして、ゴーグルの開発者であるクライン博士(ジェームズ・バッジ・デール)を派遣する。
現地の言葉で「アラタレ」と呼ばれているその正体不明の敵を調査する上で、クライン博士はもっと映像が必要だと考え、特殊なカメラを持って軍に随伴することになるのだった。

見えない、持ってる銃は効かない、そして正体不明という、もうどうして良いのか分からんぐらいに強敵補正がかかった敵に対して、どうやって勝つんだろうってのがこの映画を観てての一番の盛り上がりどころ。
まあなんやかんやで武器は出来るんだけど、理屈が通ってるんだか通ってないんだかよく分からないけど、何となく納得させられて話は進んでいく。
でもそんなことはどうでも良いんです!
何なんですか!あのイカした武器やスーツの数々は!
そしてそこから繰り広げられる派手な戦闘!
もはやあれを見せたいがためにこの映画を作ったんじゃないかと、疑うどころか自分は確信さえある。

でもこれが劇場公開されてれば…って思うほどのものだったかと聞かれると、たぶんそれは無いというのが率直な感想。
元々劇場公開を目指してワーナーやらレジェンダリーやらで製作されてたそうだけど、結局NETFLIX行きとなってしまう。
ストーリーは平々凡々だし、そこまで大きな集客が見込めるようなキャストや魅力もあるわけではないし、それはそうなって当然でむしろよくNETFLIXが拾ってくれたなとさえ。
でも、劇場公開してたらたぶん自分は観に行ってただろうなとは思う。
やっぱりニッチな層にはかなりウケが良さそう。

SFなんだからこれぐらい尖ってなんぼだろとは思うんだけど、やはりこういうものへの世間の風向きはあまり良くないようだ。