晴海通り

シェフとギャルソン、リストランテの夜の晴海通りのレビュー・感想・評価

4.0
ボーノ!トゥッタベーネ!ボーノ!!

アメリカの料理といえば、クッタクタのべっちょべちょの…ひたすらデカい…量半分でいいから半額にしてくれという…料理ばかり。ヤツら、美味しいものなんて知らないんじゃないかと思うほど。そこへ乗り込んできた本格派イタリアン兄弟、マリオとルイジ、じゃなくてプリモとセコンド(1番と2番)。アメリカン・バカ舌には受け入れられない。ゆっくり家族でリゾットが炊き上がるのを待ちながら晩餐を楽しむ文化は、アウェイの彼らだけでは作れない。

しかしこの映画の晩餐は、美味そうですね。美味そう。ティンパーノというパスタ・イン・パスタ(笑)ちょっとだけ食べてみたい。お腹いっぱい。最後の晩餐。芸術家タイプの兄と、現実と折衝しようとする弟。どっちも正しいし、どっちも間違ってる。人生はツラい。でもみんながいるから、何とかやっていける。飲んで食って、泣いて笑って、束の間の幸せを分かち合う。そしてそれを分かち合う人が多ければ多いほど、幸せは増幅し長続きする。人を形作るのは、心を暖めるのは思い出のみ。天国にお金や肩書きは持っていけない。

スタンリー・トゥッチ、誰だっけと思ったら彼じゃないですか。そっか、よく考えたらイタリア系の名前だね。イザベラ・ロッセリーニは流石の美しさ。

原題はBig Night。なんて夜だ。さて明日からどうしよう。また明日考えよう。
晴海通り

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