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デート・ウィズ・ドリューのみおこしのレビュー・感想・評価

デート・ウィズ・ドリュー(2004年製作の映画)
4.1
なんと全編手持ちカメラで撮影された制作費たった$1,100の自主映画。LAに住む27歳の一般人男性ブライアンが、6歳のころから恋焦がれている憧れのハリウッドスター、ドリュー・バリモアとデートするために予算約12万円と30日間(失業中で職探しも同時進行)を武器にありとあらゆる手段とコネを使って奮闘する、それだけなのですが、ここに全ての映画ファンの夢、いや、アメリカン・ドリームが詰まった最高のドキュメンタリーでした…!一度でも、芸能人に対して憧れの気持ちを抱いたことのある方は全員観るべき!!

誰しも憧れのスターはいると思うのですが、本気でデートをしようと考える人は少ないのでは…?(ジュード・ロウと写真を撮りにコミコンに行ったり、タランティーノ監督を一目拝むためにジャパンプレミアに行くのが精いっぱい。笑)でもこのブライアンは21年間ずーーーっとその想いを温めてきたわけでその愛は計り知れません。若手脚本家の友達から始まり、とにかくゼロからありとあらゆる人脈をたどって、ドリューに近づこうと奮闘します。最初は「無理でしょ~」的な感じで周りも鼻で笑っているのですが、このブライアンが非常に前向きかつ一生懸命な人柄なのでいつしかみんなが応援するように。気づけばドリューが通っているサロンの人、『チャリエン』の脚本家、さらには監督のマックGまで近づき、時にはドリューと交流もある俳優のコリー・フェルドマンやエリック・ロバーツなどもノーギャラで出演したりととにかく”輪”がどんどん広がっていきます。一歩間違えればストーカーとして扱われもおかしくないのですが、持ち前のキャラクターで信頼を勝ち取っていくブライアンも最高だけど、それを支える友達や周りの優しさに、自由の国アメリカを感じました(笑)。日本だったらこうは行かないんだろうな…。
当時はまだSNSも発達していない時期なので、WEBサイトひとつ立ち上げるのも一苦労、自分の足と電話を使って奮闘する姿は心打たれました。パス偽造のくだりはアウトでしょ、と思ったけど!(笑)

映像に特化している人ではないはずなのに、音楽の使い方や編集の仕方がすごく味があって、もうそれだけでハッピー。だからこそ、あのFedexの前での電話シーンは思わず泣いてしまいました(笑)。人間って、本当に感動した時ああいう表情になるのですね。
銀幕の中だろうが外だろうが、映画というものは人の純粋な心を癒し、さらには夢を与えてくれるもの。ドキュメンタリーだからこそ体現できる感動がある作品でした。

ちなみに今ブライアンは何してるんだろう...(笑)。
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