TAK44マグナム

2001人の狂宴のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

2001人の狂宴(2005年製作の映画)
4.3
南部の田舎は地獄の一丁目!!


スプラッターホラーのクラシックである「2000人の狂人」をイーライ・ロスのプロデュースでリメイク!
一人だけ人口が増えたのは何か深い意味があるのかないのか、2001人のキチガイたちがボンクラな北部の若者たちをBBQの材料にしちまうぞ!という、心に響きすぎて心臓が止まりそうなぐらい素敵な映画であります。

まず始まると、ピーター・ストーメア教授による南北戦争の説明があり、基本設定がわかりやすくなる親切設計。
そんな親切な講義を居眠りしたり、妨害するようなバカ学生が主人公になります。

とにかくエロい事しか考えていないボンクラ3人組は、休暇を利用してフロリダを目指しますが途中で道に迷っちゃいます。
ほら、早くもフラグがたちましまよ!ボンクラは大抵、田舎道を迷って怖い目にあうと決まっているのです!
ちゃんとガソリンスタンドにも寄ったし、フラグが立ちまくりでウズウズしてくるじゃありませんか。
しかし、他にもウズウズしている者がいたのです。しかも大量に。
それは、とある田舎町の住人たちでした!

あ、そうそう、でたがりのイーライ・ロスもちゃんと冒頭に出てきますよ。
ぐちゃぐちゃのアルマジロを持って!

迷い込んだ町で期せずして大歓迎を受けたボンクラたち。
彼らの他にもカワイコちゃんとバイセクシャル男子やら黒人と中国系女子のカップルやらがやってきます。
町長はロバート・イングランド。
もはや説明の必要もないですね。そう、フレディ・クルーガーその人であります!
鉄の爪の代わりに眼帯をつけた、いかにも怪しそうな町長ですが、とっても楽しそうにボンクラどもを特別ゲストとして「祭り」に誘います。
とりあえず薄着のボインちゃんたちがいるので、たいして逡巡することなく歓待を受けることにしたボンクラたち。
しかし当然ですが、その「祭り」とは、彼らを生贄にする恐ろしいものだったのです!
北軍に蹂躙された町の奇人変人たちによる、とっても残虐で惨たらしい残酷復讐大宴会がいま、幕を開けちゃったよ〜!



〜注意!ここから先はグロリンチョが苦手な方はご遠慮くださいませ〜



いや〜、素晴らしいじゃないですか!
オリジナルにもあった馬裂きの刑での四肢切断!
ポンポンポーーン!と、腕や足がまるでイタリア人を虜にした鋼鉄ジーグのようにバラバラです!
俺が殺らなきゃだれが殺るのさ〜♬ってやつですよ!
ひどいです!ひどいですが住人たちはヤンヤヤンヤと大喜び!

他にも鉄串でオケツから口まで貫通とか、重しを落とされ目ん玉ポーン!と弾けちゃったり、硫酸?を飲まされて身体が溶けちゃったり、鉄の歯でチンコを噛み砕かれたりと、殺害方法がいちいちヤバい方向に凝ってます。
更に、生首投げたらパカっと割れちゃって脳みそが出ちゃったり、ロバート・イングランドが美味そうに脳みそを試食したりと不謹慎をやりたい放題!
撮影時にイーライ・ロスたちが「すっげ〜、最高だな、これ!」などと満面の笑みでハイタッチでもしているところが容易に想像できますよ。
おまえら、それでも人間か!(←自分勝手すぎる批判)

クライマックスにはロバート・イングランドの大立ち回りまで見れます!元フレディが頑張っておりますよ!
そんな風にサービスが行き届いている本作ですが、オチは、少年ジャンプがまだ暴力的漫画の宝庫だったころに平松伸二先生が描いた「ブラックエンジェルズ」の元となった短編「ニートに翔んで」と一緒じゃないかと思った次第。
どこからどう見ても高校生には見えない不良番長がスパーン!と大変なことになるんです。それと同じようなカット割りでボンクラくんとボンクラちゃんも大変なことに!
イーライ、こんな極東の昭和50年代の読み切り漫画を読んでいるのか?!
そんなわけないか!
しかし、いつも思いますが、このトラップ仕掛けたは良いけれど標的以外の誰かが引っかかったらどうするつもりなのかな?
まぁ、いろんなところで使われているネタなんですがね、説得力ある使われ方した試しがないですな(苦笑)。

そんなことは置いといて。
牧歌的なオリジナル版を遥かに凌駕する、ブラッシュアップされまくった良作ホラー。
やっぱり気が狂った田舎ほど怖いところは無いのでした!


セルDVDにて