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北北西に進路を取れのmasayaanのレビュー・感想・評価

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)
4.4
ヒッチコックはマラソン方式よりも、ふと思い出した時にぶらりと観るのがちょうどいい。『12モンキーズ』で思い出したので、今回はこれを。13作目の鑑賞です。

冒頭の幾何学アピールには少し引いたけど、見終わった時の第一声→「つーかこれ、007じゃない????」だったわけですが、早速調べた結果、シネフィルのあいだではこれが「ファースト・ボンド・フィルム」としてあまりに有名だとか。やられたー。まさか007までヒッチコック・チルドレンだとは・・・。

しかし、「ヒッチコックにしては美女が出てこないなー」と思っていた矢先の、列車での出会いが完璧。エヴァ・マリー・セイント、そのプロ彼女的な美貌と仄かなビッチ感がすごいバランスだなと思いました。スカヨハとかが今こういうポジションなのかな。で、「お約束」の段取りで飛行機と対峙することになるバス停のシークエンスがまたもや完璧。サスペンスとはこういうことかと言う前振り(not伏線)。ハラハラさせてもらいました。

『めまい』あたりからそういう趣向になっているのか、「二段階オチ」みたいな終わりそうで終わらないエンディングが、全体を少し冗長に感じさせてしまっているかと思うけど、必殺技も何もないプレイボーイの行き当たりばったり感と、全体を通底するご都合主義には思わずニンマリ。最後のショットの潔さもまたヒッチコック印でしょう。満足!!