【無音状態】
アルフレッド・ヒッチコック監督の1959年のサスペンス作品。
〈あらすじ〉
1人の男と間違われて誘拐されてしまった広告マン・ロジャーは、謎の人物タウンゼントからある仕事への協力を要請される。そして、人違いが判明した直後、ロジャーは泥酔運転に見せかけて殺されそうになる…。
〈所感〉
これぞヒッチコック流の巻き込まれ系サスペンス。何も知らない男が知らぬ間に闇の中へと身を投じられてしまう。日常が非日常に一瞬で姿を変える。一体彼は誰なんだ?これはなんなんだ?という謎が謎を呼ぶハラハラドキドキ感が最後まで絶えない。しかも本作は異様にスケールがでかい。北北西ってどこ?崖の上のサスペンスはよくあるが、まさかラストはラシュモア山の上で決着が着くとは。逃避行と犯人探しを兼ねた奇想天外でテンポの良いストーリーテリングによってロジャーの道中がとても楽しめた。オークションのシーンがお気に入り。広い平原での無音状態が
後の危機をそそる。今回も冒頭すぐのカメオ出演がめちゃくちゃわかりやすい。映画とは裏腹にいつもお茶目な姿を見せてくれるヒッチコック。あなたの虜です。