リラリオ

PRODIGAL SONSのリラリオのレビュー・感想・評価

PRODIGAL SONS(2008年製作の映画)
4.0
性転換をした元アメフト花形スターの20年ぶりの帰省とその家族の秘密⋯驚愕のドキュメンタリー映画。

モンタナ州ヘレナで暮らす医師のローレンスと教師のキャロル。不妊に悩む2人は孤児院からマークを引き取り、養子にする。が、その途端ポールを妊娠、その翌年にはさらにもう1人トッドを妊娠する。

長男・マーク⋯養子。スポーツも勉強もできねぇ、酒と女が大好物の元暴走族。町の大スターで同学年の弟ポールをライバル視。
交通事故で脳の1部を切除、その後遺症で興奮すると、コントロールできなくなり、凶暴になる。昔から扱いづらい男だったが、さらに厄介になってしまう。

次男・ポール改めてキム⋯この映画の監督。超絶イケメンでアメフトの花形スター、成績も優秀で誰もが憧れる町の人気者だった。
性転換をし女になるが、恋愛対象は女。同窓会のため婚約者クレアを連れ、20年ぶりに故郷へ帰る。

三男トッド⋯ゲイ。キムとは仲良し。

高校卒業後、都会にでたきり1度も故郷に戻ることはなかったキムだったが、同窓会のため20年ぶりに故郷へ帰る→同窓会には兄マークも参加→「同級生より、マークに再会するのがマジ不安だわ⋯」→マークとは10年以上疎遠→再会→ピアノを弾くマーク→「なんの曲?」→「わかんねぇ⋯指が思考と関係なく勝手に演奏する。なぜピアノが弾けるかわからない⋯だから今、自分のルーツを調べている」突然ピアノが弾けるようになったマーク⋯う~んミステリー。

2年前に亡くなった父→母は父の葬儀でキムの性転換をあえて公表し、父の死とキムの再生を対比させる→「みんな女になったこと知ってるけど⋯」同級生との久しぶりの再会にナーバスになるキム→再会→思い出話に花が咲く→マークもキムも同窓会を楽しむ。

マークは21歳の時に交通事故で脳の一部を損傷→発作を起こすようになる→発作の原因を取り除く手術→度重なる手術で気分変動は激化→記憶障害、過去に執着→大変だった家族、その間家に居なかったキム。
キムはこの空白の時間を埋めようとする。しかし、思っていたよりもマークの状況は深刻だった。
昔を思い出し、興奮するマーク→「俺が長男で1番だと思ってたが⋯コイツが優等生で⋯マジつらだった!」→暴れる→「これは⋯ヤバい⋯」→ニューヨークに帰るクレア→落ち込むマーク「あんな姿を見せてしまって⋯あれは僕じゃないんだ」→キムは故郷に残り、マークとの関係を修復しようとする。
そんな中、マークは自分の素性を知る。マークの祖父母はなんとリタ・ヘイワースとオーソン・ウェルズだった⋯。

超超超有名人の孫だったマーク→実母レベッカと文通を始める→が、再会寸前に訃報が届く→初対面の実母は棺桶の中→マークの存在を知ったオーソンの晩年期の恋人オヤ・ゴダールが、マークをクロアチアへ招待→初海外のマーク、キムも同行→クロアチアを満喫→キム「オーソン・ウェルズの孫、羨ま⋯」→ついに本当の自分を見つけたマーク「今までの苦しい状態から抜け出して、もう一度人生をやり直すんだ!」

が⋯帰国後、マークの発作が悪化→記憶障害のマークは、オーソン・ウェルズの孫だということを忘れてしまう→劣等感の塊に逆戻り→さらに凶暴化→キムをぶん殴る→自分でも自分がわからなくなるマーク→クリスマス→家族でパーリー→突然トッドを攻撃する→暴れ倒し、楽しいクリスマスパーリーをぶち壊す→警察出動→「俺を逮捕させる気か!!」逆上したマークはナイフを持ち出す⋯。
20年ぶりの故郷・家族との再会・関係修復・再生の旅⋯ハッピーエンドで終わるはずだったキムの記録映画は、とんでもない結末に⋯。

結局、オーソン・ウェルズの孫だとわかっても何も変わらず⋯。
マジやるせないドキュメンタリー映画でした。
リラリオ

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