ノッチ

序曲・13日の金曜日のノッチのレビュー・感想・評価

序曲・13日の金曜日(1981年製作の映画)
3.0
再鑑賞。

家を修理する男たちは、屋根から覗いている男を発見するが惨殺される。

キャンプ場へ向かう若者たちは色々と楽しむが、そこへあの殺人鬼が現れ・・・。

『スクワーム』のジェフ・リーバーマン監督によるスプラッターホラー。

もちろん、あの『13日の金曜日』とは別物。

きっと内容が似ているので邦題を適当につけた感じ。

ただ、大男が犯人のスラッシャー映画としては『13金』の先駆なので、“序曲”を冠したくなる気持ちは分かります。

内容的にも序曲と付いても、まあそこまで違和感はない。

ストーリーはチープな感じのこの時代のホラーだなというところです。

ただ、思ったより面白い。

はっきりと説明がない殺人の動機のせいで、大したことない殺人鬼なのに妙に不気味に感じてしまう。

何故殺すのか?

何故狂ったのか?

一切説明がないため、非常に不気味でありヘタな『ハロウィン』や『13金』フォロワーよりも印象深い作品となっている。

それほどエグい強烈な描写があるワケではなく、ジワジワと恐怖心を煽る演出。

観ている側が「えっ? うわっ普通に来てる!」と思うほど、“殺人鬼が何食わぬ顔で自然に画面に映り込み、淡々と登場人物に襲いかかってくる”みたいな感じは、素朴ながら逆に新鮮であり、絶妙に不気味な雰囲気を醸し出している。

特に殺された友人の発見シーンなんかは、他の作品とはちょっと違って驚かされる。

音楽もけっこう雰囲気がある。

ちなみに作曲はブラッド・フィーデル。

3年後に『ターミネーター』の♪ダダンダンダダンを作る人です。

地味めだけどそれなりに緊張感があり良かった。

そして映画史には残らないが、あなたの記憶に残る事、間違いなし”なエンディングは必見です。

ちなみに元々の邦題は『13日の金曜日 序章』でしたが、近年のDVD化に際し『序曲 13日の金曜日』に改題されたっぽいです。
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