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ボーン・コレクターのytのレビュー・感想・評価

ボーン・コレクター(1999年製作の映画)
3.9
なんだろう、何か色々と惜しい。事件等の個々のプロットは悪くないが、それを物語に練り込められていない。1995年、フィンチャーによって作られた「セブン」は記録的なヒットを樹立。その後この手ようなサスペンス・スリラーは数多く作られたが、どれも何か物足りない。自分の中ではこれもその1つ。セブンという最高傑作を先に目にしてしまったからなのだろうか。

[あらすじ]
→科学捜査官のライムは、4年前に事故で傷を負い脊椎損傷により寝たきりに。ある日、パトロール警官のアメリアは連続殺人事件の発端ともなる無惨な変死体を発見。ライムは協力を求められ、動けないライムの代わりにアメリアが現場検分を行うという前代未聞のタッグを組むことに、、。

[レビューと見どころ]
✔①デンゼルとアンジーの共演
→演技の面ではやはりクオリティが高い。そもそも寝たきりで捜査に協力する、という時点でだいぶハードな役だがデンゼルは難なくこなし、何なら他の映画では見せない色っぽい演技を披露。一方でアンジーも、普段はわりと力のある男勝りな演技が多い中、比較的地味でか弱いが強くなる女性を熱演。デンゼルと肩を並べる良い演技をしている。

✔②脚本と演出
→本作品の良いところは、死体や事件の生々しいシーンを鮮明に映すところにもあるだろう。画面越しでも匂いや絵面を直で感じている感覚になる。また、セルマのラストも興味深い。原作ではセルマ役は男で、死なない設定らしいが、この結末でセルマのこの結末だと、ストーリー的に温くない。ナイス判断。

➖③ではどこが物足りないのか。
→感じたそれは、物語の直線的に進行するところにあるだろう。劇中、事件の謎に対し行き詰まるシーンが何回か訪れるが、デンゼルはそれを持ち前の頭脳でアンサーへと導き出す。そこまでは良いのだが、ラスト近くになると考えずに賭けで判断するシーンもしばしば。そのおかげで難なく進行してしまう。それでいいのか、、?当たったからいいが、犯人を追う側としてどうなのよ笑。

また、犯人を誰だか惑わせてこようとする演出も多い。観ている側としては楽しめるので問題はないが、図書館で出てきた男性は誰だったの?結末と同じくらい気になって仕方がない。

👉最近の映画や昔の面白い映画を観ているせいでどうしても目が肥えてしまったのか、詰めが甘いなという部分も見受けられるが、それでも十分面白い映画。ドラマもあるようなので、そちらも鑑賞してみたい。
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